第157回「フットインザドア法は本当に有効か」

説得力、交渉力を高めるためにフットインザドア(foot in the door)と呼ばれるテクニックがあります。「ドアに足を入れれば成功したようなもの」という意味からのネーミングで、 「段階的要請法」と訳されることもあります。これは「一貫性の法則」を利用した心理テクニックで最初に小さなお願いを聞いてしまうと、次の大きなお願いを断りにくくなるというもの。

第156回「質問の魔力」

コミュニケーションで相手の意識を変えるほどの力があるのが質問です。会話の流れを円滑に進めるきっかけになるのが質問ですが、脳は空白を嫌って自動的に答えを探し出すという特徴もあるため、質問の仕方にはよく注意する必要があります。思考には膨大なエネルギーが必要とされるため、無駄な思考が繰り返されると脳はそれを嫌がります。どんな質問をするかによって相手の気分が大きく変わることがあるため、「イエス」を引き出す気持ちいい流れを心がけましょう。

第152回「会話テクニックは本当に使えるのか」

巷に溢れる「使える会話テクニック」。はたしてそのような会話テクニックは本当に使えるのでしょうか。例えば、相手の言葉をそのまま返す「オウム返し法」。本来なら、相手が気持ちよく会話をするためのテクニックなのに、単なる棒読みの繰り返しになっている人を時々見かけます。こうしたテクニックはまず本質を理解して、実際に会話をしながら練習することが大切です。今回は本当に使えるテクニックにするためのレッスンです。

第151回「勧め上手の行動心理学」

今回のテーマは「勧め上手」についてです。人間関係や仕事がうまく行っている人はみんな勧め上手。勧めるとは、つまり相手を行動させることです。それができる人は、人が行動を起こす心理をよく理解しています。人の行動は以外と適当なもので、わずかな刺激で選択が変わることもあります。勧め上手になって人間関係を円滑に進めていきましょう。

第150回「音声メディアで発信するメリットとは」

今回は最近再び注目を集めている音声メディアについて語ります。clubhouseに代表されるように音声メディアがここのところ注目を浴びています。昔からポッドキャストでの配信方法はありましたが、今AppleやSpotify、Facebookなど大手が再びポッドキャストへ力を入れているのは興味深いですね。音声コミュニケーションは文字より昔からあったもの。感情が伝わりやすく、ファンになりやすい音声メディアについて、このタイミングで知っておきましょう。

第149回「根本的なアガリ対策の心理学」

今回はアガらないために、知っておきたい人間心理がテーマです。人前で話すのが苦手でアガりやすい人は、根底にある考え方に原因があることが多いのです。「緊張しないテクニック」「緊張したときの対処法」よりも根本的な考え方を学んで軌道修正する方が遥かに効果があります。いつも通りの自分を出せるように本当のアガリ対策について今回は学んでいきましょう。

第148回「トラブルになりやすい話し方と対策」

今回は「トラブルになりやすい話し方と対策」がテーマです。日常の会話の中で相手を怒らせたり、ストレスを生むような経験はないでしょうか。そのときのことを思い出して、戦略的にあなたの話し方を改善そして強化していくのが今日のポイントです。自分で意識せず、声にトゲがあったり、相手を頭ごなしに否定したり、自己弁護が強かったりと、原因は様々。今日お話しする改善策を実践して、コミュニケーションを円滑に進めていきましょう。

第147回「説得力が高まる話し方のマトリックス」

今回は「説得力が高まる話し方のマトリックス」がテーマです。話すスピードと声のトーンを組み合わせたマトリックスを元に、場面に応じた最適な話し方を学んでいきます。一般的には早口にならずにゆっくり話すほうが良いと言われることが多いですが、必ずしもすべての場面で有効なわけではありません。どのような場面では話すスピードを上げるとよいのでしょうか。しっかりと使い分けをできるように、話し方のマトリックスを学んでいきましょう。

第145回「会話の印象を決めるピーク・エンドの法則とは」

ピーク・エンドの法則(peak–end rule)は、米国の心理学者、行動経済学者ダニエル・カーネマンが提唱した「出来事が絶頂時(peak)にどんなだったか、そしてどう終わったか(end)」で判定される、という法則。ピーク・エンドの法則を意識すると、会話や会議などで好印象を残し、信頼される話し方ができます。

第142回「目に物を言わせるアイコンタクトの技術」

「目は口ほどに物を言う」という表現があるように、私たちは言葉だけでなく目でもコミュニケーションをしています。仕事で評価される人、活躍する場に恵まれる人は、アイコンタクトを上手く使います。日本人はもともとアイコンタクトをしない文化であり、漫然と過ごしていると、アイコンタクトが少なくなるため、活躍の場を増やしたい、他者からの評価を高めたいなら、意識的にアイコンタクトを増やしていきましょう。

第141回「共鳴発声法実践編 ハミングで共鳴トレーニング」

前回のテーマである「芯のある声」は「お腹の支えを入れっぱなし」の声のことですが、支えだけを入れっぱなしにしていても、共鳴の捉え方が甘いと、ぼんやりした声になってしまいます。共鳴を捉えつつ、お腹の支えからくる芯のある声を合わせることによって信頼される声になるのです。今日は、共鳴を捉える練習としてハミングを取り上げます。

第140回「芯のある声で話す方法」

仕事の能力と評価は必ずしも一致しません。能力があることは大前提ですが、他者から高く評価される人はそれに加えて、力強さ、安定感、頼りがいという要素を持ち合わせています。信頼感や安定感は「心のある声」が表現されたものともいえます。「なぜあの人は高く評価されるのか」。その理由を「発声、話し方」から見ていくことにしましょう。

第139回「しゃべらない営業の話し方とは」

今回のテーマは「営業」です。「営業」というと、職業としてのセールスパーソンを思い浮かべるかもしれませんが、プライベートのコミュニケーションにも営業や交渉という要素は含まれており、そういう意味ではすべての人に必要な行為であり、能力であるといえます。営業を制する者は人間関係も仕事もすべてを制する。下手な営業の最たるものである「しゃべりすぎ」に注意して取り組んでいきましょう。

第138回「滑舌を改善する方法」

第6回に取り上げた「滑舌」(カツゼツ)について、さらに掘り下げつつ、実用的なトレーニングを紹介する。早口言葉を練習してもカツゼツ改善につながらない理由は?──楽器の練習をするときに、苦手なフレーズを超高速で練習するか(ナチュラルスピードを大幅に上回るスピードには意味がない)。むしろ「全体的な早口」を助長してしまう。早口言葉の話はしたが、早口言葉がコミュニケーション能力の向上に役立つわけではないと知っておこう。