第177回「人が動かない原因は傍観者効果」
周りに人が多くいると、自分の行動が妨げられてしまう現象を傍観者効果といいます。これは、「自分がやらなくても誰かが助けるだろう」と思われて、流されてしまうためです。こうした心理を踏まえ、どうしたら人が動いてくれるか、成果を上げてくれるかを考えてみましょう。
周りに人が多くいると、自分の行動が妨げられてしまう現象を傍観者効果といいます。これは、「自分がやらなくても誰かが助けるだろう」と思われて、流されてしまうためです。こうした心理を踏まえ、どうしたら人が動いてくれるか、成果を上げてくれるかを考えてみましょう。
セルフ・ハンディキャッピングとは、自分で自分にハンデ(不利な条件)を課すことです。何か物事を進めるときに事前にハンデを作っておくことで、失敗しても言い訳できるし、成功すれば不利な条件の中でがんばったという評価をもらえます。つまり、結果に関わらず自分のプライドや自尊心を守れる心理手法といえるのです。ただ、このセルフ・ハンディキャッピングにはパフォーマンスが落ちるという大きなデメリットがあるので気をつけましょう。
相手が何を考えているか、何を知っているか、といった情報を引き出すことは、物事をスムーズに進めるのに必須の能力です。そこで大切になってくるのが「質問力」。しかし、やみくもに質問しても、有益な情報が引き出せるとは限りません。質問をするときには「仮定」という有力なテクニックをじっくり検討してみましょう。
隣の芝生は青く見えるというが、実際は大して青くはない。ダニエル・カーネマンらによる研究によると、見るポイントを間違えることにより、たいして重要ではない気候などを過大評価し、より重要なことを軽視して、幸福度の見極めを失敗してしまうといいます。自分が大切だと思うことにエネルギーを注ぐようにしましょう。
最近「心理的安全性」(psychological safety)という言葉が取りざたされるようになっています。心理的安全性とは、組織内で自分の考えや気持ちを誰に対しても安心して発言できる状態のこと。心理的安全性を損なう要因として、4つの不安が挙げられています。心理的安全性が向上するとどうなるのか、またそれを確保するには何をしたらよいのでしょうか。
今回取り上げるのは、「ダブルバインド」。ステルス的(相手に気づかれない)に強力な説得法といわれています。同時にリスクやデメリットも大きいので、自分がやられて不利益を被らないために、ダブルバインドの使い方について知っておきましょう。
コミュニケーションにおいて、断ることはストレスがかかる行為です。断るのが苦手で、つい応じてしまったり買ってしまったりする人は多いと思います。相手とぶつかる行為が「断る」なので、自分自身にもストレスがかかるからです。通常のコミュニケーションでは相手に合わせると気持ちよく流れますが、「断る」場面は逆だから、多少は「主張」する必要があり、そこにストレスの原因もあるといえます。、「断る」場面は逆だから、多少は「主張」する必要があり、そこにストレスの原因もあるといえます。では、どんなふうに「主張」したら、ストレスが強まることもなく、うまく断れるのでしょうか。
コミュニケーションにおいて、ネガティブな影響を受けてしまったことは誰しも経験があるはずです。「ネガティブな人対策」(ネガティブな人と接したときに影響を回避する方法)についてはさほど意識されておらず、影響をもらってしまうことが多々あります。今までに取り上げた「ペーシング」の上級編として、ぜひ練習して身につけて、パフォーマンスの高い生活を維持していきましょう。
アンダーマイニング効果とは報酬を与えることでモチベーションが下がる減少のことです。例えば、インセンティブとして金銭を与えた場合、いつしかそれを受け取ることが目的になってしまい、インセンティブが絶たれたあとは以前よりもモチベーションが下がることがわかっています。ただ、アンダーマイニング効果が起きない報酬もあります。それが「言葉」です。言葉で褒める、称賛する、評価するといった行為は、アンダーマイニング効果を起こさないことが確かめられているのです。
ナッジ理論とは、強制的にではなく、小さなきっかけを与えて、よりよい選択ができるようにするための理論です。「部下が動いてくれない」「子どもが言うことを聞かない」という相談は多い。つまり「人が思い通りに動かない」という悩みです。ナッジを使って、無理なく人を動かす達人になりましょう。
孫子の兵法は戦いの必読書といわれ、「戦わずして勝つ」という考え方が根底に流れています。無駄に争ったり衝突したりすることなく効果を上げるという考えは、コミュニケーションにおいても重要な部分です。今回は、孫子の兵法からコミュニケーションに活かせる格言や考え方を取り上げながら、「戦わずして勝つ」方法をお伝えしていきます。
気持ちいいコミュニケーションを心がけていても、反論したいときもあります。特に仕事においては、反論せずに「まあいいか」とそのまま流していては立ち行かなくなる状況もあるでしょう。上手に反論しないと、相手の感情を刺激してしまい、強烈な反撃に遭ったり対立したりすることもあります。今日は、「歩み寄れる反論」になるように、上手にコミュニケーションを築いていく方法についてお伝えしてきます。
良いコミュニケーションを遮ってしまう代表格は「否定」です。例えば「でも」が口癖になっている人は、会話の流れを途切れさせ、人間関係にひびを入れることが多いはずです。無意識のうちに、ついつい使ってしまう4D言葉。気持ちの良いコミュニケーションを築くためには、相手が気持ちよく話せているか、会話の流れを遮っていないか、改めて確認していきましょう。
コミュニケーションの中でも最も緊張感が高い場面のひとつに「クレーム対応」があります。クレーム対応には順序や対応を間違えると解決に導くどころか、さらなるクレームを生むこともあります。相手をよく観察し、観察と共感を意識しながら話を聞くことが大切です。バックトラッキングの復習と実践を兼ねて今回はクレーム対応の極意についてお伝えしていきます。
そもそも人はなぜ緊張するのでしょうか。緊張する理由には明確な原因があります。人は「自分がどう見られているのか」を気にしすぎるあまりに緊張するものです。緊張の根本的な原因を知って、挙動不審と思われないような態度を取れるようにしましょう。
心理的リアクタンス(psychological reactance)とは米国の心理学者ジャック・ブレームが1966年に提唱。自由が奪われたと感じた時に自由を回復しようとする心理作用のこと。心理的リアクタンスが生じると、人は動いてくれなくなったり、話を聞いてくれなくなったりして、関係構築が難しくなっていきます。
最近、誰かを褒めていますか?オンラインのやり取りが増え、じっくり語り合う場は減る傾向にあり、事務的な内容に終始しがちです。褒められて嫌がる人はいません。上手に相手を褒めて、良好な人間関係を築いていきましょう。
最近、人と話す機会が少なくなったり、オンライン会議で普段とは違った発声になったりして、気持ちも落ち込み気味という人は少なくないでしょう。コミュニケーションは心の健康を保つ上でとても大切な要素です。そして、声を出して会話することは、精神的な安定やモチベーションの維持に役立ちます。
社会的証明(social proof)とは『影響力の武器』の中でロバート・チャルディーニが提唱した、人の行動に影響を及ぼす要因の一つです。「他人がすでに証明してくれた」として、それに乗っかる行動で、損や失敗を避けようとして他人の行動を参考にする、ある意味合理的であり、またある意味短絡的な判断でもあります。私たちには、できるだけ楽に判断したい、考えたくないという経済性あるので、巧みにコントロールされやすい存在にもなっています。
ドアインザフェイス・テクニックとは「返報性の原理」を利用した譲歩的要請法のことです。「shut the door in the face」(門前払いする)というフレーズが由来で、これを「させる」ことによって罪悪感を抱かせ、続けて要求を小さくすると、「自分も何か譲歩しなければ」という返報性の原理が働くというメカニズムです。